
FPの電卓って、どれでもいいんじゃないの?と思って試験会場に持ち込んだら、実はNG機種だった……なんてことになったら目も当てられません。
FP試験では使っていい電卓と禁止されている電卓がはっきり決まっていますし、2級・3級についてはCBT方式への移行によって「そもそも電卓を持ち込めない」という大きな変化もありました。
この記事では、関数電卓や金融電卓が禁止される理由、CBT方式での電卓の使い方、電卓アプリが代用できるかどうか、無印の電卓がFP試験に使えるのかといった疑問、そして1級やCFP向けにおすすめの電卓の選び方・使い方まで、私が調べてまとめた内容をお届けします。
FP試験の準備をこれから始める方も、すでに勉強中で電卓のルールを確認したい方も、ぜひ参考にしてみてください。
- 1FP試験で禁止されている電卓の種類と理由
- 2CBT方式での電卓の扱いと画面上の使い方
- 3FP1級・CFP向けのおすすめ電卓の選び方
- 4電卓アプリや無印電卓が使えるかどうかの判断基準
FP試験で使える電卓の条件と禁止事項
FP試験の電卓ルールは、正直なところ意外と細かいです。
「計算できればなんでもいいでしょ」と思いがちですが、使ってはいけない電卓の種類がしっかり定められています。
また、試験方式によってそもそも電卓を持ち込めないケースもあるので、自分が受験する試験の形式を先に確認しておくことが大切です。
このセクションでは、禁止されている電卓の種類とその理由から、CBT方式・CFPでの持ち込みルール、電卓アプリや無印電卓の扱いまで、ひとつひとつ整理していきます。
関数電卓や金融電卓が禁止される理由
FP試験では、関数電卓と金融電卓の使用が禁止されています。
関数電卓とは、sin・cos・logといった数学的な関数計算ができる電卓のことです。
金融電卓とは、ローン計算や複利計算などの金融専用の機能が搭載された電卓で、少ないボタン操作で複雑な計算を自動でこなしてくれます。
なぜこれらが禁止されているかというと、試験が「電卓の機能」ではなく「受験者自身の計算力と知識」を測るためのものだからです。
たとえばFP試験には、1.02の3乗のような複利計算が出てきます。
関数電卓や金融電卓があれば一発で答えが出てしまうので、受験者間の公平性が保てなくなってしまうわけです。
FP試験で使用が禁止されている電卓の種類
- 関数電卓(sin・cos・log・累乗などの数学関数機能を持つもの)
- 金融電卓(ローン計算・複利計算などの金融専用機能を持つもの)
- 印刷機能付きの電卓
- 音の出る電卓
- スマートフォン・タブレットの電卓アプリ
逆に言えば、四則演算(+-×÷)と%、√(ルート)、メモリー機能が使える普通の電卓であれば、ほぼ問題なく持ち込みが認められます。
ただし試験のルールは変更されることもあるため、受験前に必ず試験実施団体の公式情報を確認するようにしてください。
FP2級・3級で電卓がいらないCBT方式とは
FP試験を取り巻く環境で、ここ数年で最も大きく変わったのがCBT方式への移行です。
CBTとは「Computer Based Testing」の略で、紙の試験用紙ではなく、テストセンターのパソコン画面上で受験する方式のことです。
FP3級は2024年4月から、FP2級は2025年4月からCBT方式に完全移行しました。
CBT方式の試験では、自分の電卓をテストセンターの席に持ち込むことができません。
つまり、FP2級・3級を受験する場合は、電卓が「いらない」というより「持っていっても使えない」というのが正確な表現です。
CBT方式で電卓を使うには?
計算問題を解く際は、試験画面の左下に表示される「電卓」ボタンをクリックすることで、画面上の簡易電卓を使うことができます。
この画面上の電卓は四則演算と%・√の計算が可能な簡易タイプです。
詳しくは後述の「CBT方式での画面上の電卓の使い方」でも解説しています。
勉強中に自分の電卓を使って練習しておくことは引き続き有意義ですが、本番の試験では画面操作に慣れておくことが大切です。
試験前に公式の練習ツールや体験画面を使って、画面上の電卓操作に慣れておくことをおすすめします。
注意:FP2級・3級(CBT)受験予定の方へ
「電卓を持ち込んでもいいですか?」という質問を試験会場でよく聞くそうですが、FP2級・3級のCBT試験では持ち込み不可です。
受験票や公式サイトで最新のルールを必ず確認しておきましょう。
CFPの電卓持ち込みルールと注意点
CFP(Certified Financial Planner)は、日本FP協会が認定する上位資格です。
CFP試験は、FP2級・3級とは異なり、2026年3月時点では紙の試験形式で実施されており、電卓の持ち込みが認められています。
ただし、持ち込める電卓には当然ながら条件があります。
CFP試験での電卓持ち込みの主なポイント
- 関数電卓・金融電卓は使用不可
- 印刷機能・音の出る機能がないこと
- 四則演算・%・√などの基本機能を備えた一般電卓が対象
- 電卓のサイズや桁数に関しては公式の最新情報を確認すること
CFP試験は6課目それぞれで計算問題が出題されるため、試験本番で使いやすい電卓を選んでおくことは非常に重要です。
特に「リタイアメント・プランニング」や「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」などの課目では、複利計算や年金現価の計算が頻出なので、キーの押しやすさや桁数を意識して電卓を選ぶといいと思います。
持ち込みルールの詳細は、必ず日本FP協会のCFP試験公式ページでご確認ください。
FP試験の電卓アプリは代用できるか
「スマホの電卓アプリじゃダメなの?」という疑問を持つ方は多いと思います。
結論から言うと、FP試験(CBT方式を含む)でのスマートフォン・タブレットの電卓アプリの使用は禁止です。
試験会場ではスマートフォン自体の持ち込みが制限されており、電卓アプリとして使うことはできません。
また、CBT方式の試験では試験画面上の電卓を使うことになるため、そもそもスマホを操作する場面がありません。
ただし、試験勉強中に電卓アプリを使うこと自体は問題ありません。
練習段階ではスマホの電卓アプリを活用して計算問題に慣れておくのはありですが、本番試験では使えないという前提で勉強を進めることが大切です。
特にCBT試験を受ける方は、画面上の電卓操作にも慣れておく練習を忘れずに。
無印の電卓はFP試験に使えるのか
無印良品の電卓はシンプルなデザインで人気がありますが、FP試験に使えるのかどうか気になる方も多いようです。
答えは、基本的には使用可能なケースが多いです。
無印良品が販売している一般的な電卓は、四則演算・%・√といった基本機能のみを備えたシンプルな設計で、関数電卓や金融電卓には該当しません。
ただし、「無印の電卓ならすべてOK」と断言することはできません。
注意点:電卓を選ぶときは機能を必ず確認
無印良品に限らず、どのメーカーの電卓であっても、購入前に「関数電卓・金融電卓に該当しないか」を確認することが重要です。
また、FP2級・3級はCBT方式のため電卓自体を持ち込めません。無印の電卓が活躍するのは、1級やCFP試験など紙の試験形式が適用される場合、または学習中の練習用途です。
FP3級・2級の勉強用として使うのであれば、無印の電卓でも十分に対応できます。
シンプルで使いやすいデザインは集中力を妨げないという点でも好評です。
FP電卓のおすすめ選び方と使い方
ここからは、実際に電卓を選ぶときのポイントと、試験本番で役立つ使い方について掘り下げていきます。
FP1級やCFPを受験する方、または勉強中に電卓を活用したい方に向けて、選び方の基準・メーカー別の比較・CBT方式での画面電卓の操作・効率的な使い方まで、順番に解説します。
「とりあえず安ければいい」ではなく、自分の受験スタイルに合った電卓を選ぶことで、計算問題をスムーズに解けるようになります。
FP3級に適した電卓の選び方と必要な機能
繰り返しになりますが、FP3級はCBT方式のため本番では電卓を持ち込めません。
ただし、学習中に電卓を使って計算問題を練習することは非常に重要です。
勉強用の電卓を選ぶなら、以下の機能が揃っていれば十分です。
FP3級の学習に必要な電卓の最低条件
- 四則演算(+-×÷)と=キー
- %キー(パーセント計算)
- √キー(ルート計算)
- ACキー(全消去)・Cキー(クリア)
- 10桁以上の表示(12桁あればより安心)
- メモリー機能(M+・M-・MRC)
FP3級の計算問題では、複利計算(1.02の3乗など)が頻出です。
これを一般電卓で計算するには、「1.02×1.02×1.02=」と順番に掛け算するか、電卓によってはGTキー(グランドトータル)やメモリーキーを活用する方法があります。
関数電卓や金融電卓を使えば一発で計算できますが、試験では禁止されているため、普通の電卓での計算練習に慣れておくことが大切です。
価格帯は1,000円〜3,000円程度の製品で十分対応できます。
FP2級に対応した電卓のサイズと桁数
FP2級もCBT方式のため本番での持ち込みは不可ですが、学習中の電卓選びの参考として解説します。
FP2級になると計算問題の難易度が上がり、計算量も増えます。
たとえば、住宅ローンの返済額の計算や、所得税・住民税の計算など、複数のステップを経る計算が増えてきます。
そのため、電卓のサイズと桁数にはFP3級の勉強時より少し注意が必要です。
FP2級の学習に向いている電卓の目安
- 桁数:12桁以上(計算の途中で表示が切れないよう)
- サイズ:ジャストタイプ以上(キーが大きく打ちやすいもの)
- メモリー機能:複数ステップの計算で活躍するM+・M-・MRCが必須
- 早打ち対応機能(キーロールオーバー対応)があると快適
「ミニジャストタイプ」や「手帳サイズ」など、コンパクトすぎる電卓はキーが小さくて打ちにくく、試験勉強中にミスが増える原因になることがあります。
テキストや問題集と並べて机に置いて使うことを考えると、ある程度のサイズ感があるほうが使いやすいと思います。
カシオとシャープのFP向け電卓を比較
電卓を選ぶとき、カシオかシャープかで迷う方がとても多いです。
どちらも品質が高く信頼性があり、FP試験向けの一般電卓として定番のメーカーです。
| 比較項目 | カシオ | シャープ |
|---|---|---|
| 代表モデル | JS-20DC・MW-12GT-N | EL-G37・EL-VN82 |
| キーの感触 | 少し軽め・ソフトなタッチ | 少し硬め・しっかりとしたクリック感 |
| 早打ち対応 | 対応機種あり | 対応機種あり |
| 桁数 | 10〜12桁(機種による) | 10〜12桁(機種による) |
| 価格帯目安 | 1,500円〜3,000円程度 | 1,500円〜3,500円程度 |
カシオはキーが比較的軽くてスムーズに打てるため、連続して計算を続ける際に疲れにくいと感じる方が多いようです。
シャープはキーを押した感触がしっかりしているので、「ちゃんと押せた」という確認をしながら打ちたい方に向いています。
どちらが優れているかというよりも、自分の手の大きさや打鍵の好みに合わせて選ぶことが一番大切です。
可能であれば家電量販店や文具店で実際に触って確かめてから購入するのがおすすめです。
なお、価格はあくまで一般的な目安であり、販売店や時期によって変動します。
CBT方式での画面上の電卓の使い方
FP2級・3級のCBT試験を受ける方が最も意識しておきたいのが、画面上の電卓操作です。
試験画面の左下にある「電卓」ボタンをクリックすると、簡易電卓が画面上に表示されます。
この電卓はマウスクリックで操作することが基本ですが、テンキーが使えるかどうかはテストセンターのPC環境によって異なる場合があります。
CBT画面上の電卓でできること・できないこと
【できること】四則演算(+-×÷)・%計算・√計算・メモリー機能(機種による)
【できないこと】関数計算・複利計算の自動処理(金融電卓的な使い方)・印刷や記録
なお、きんざい(金融財政事情研究会)が実施するFP試験のCBT方式での電卓仕様については、金融財政事情研究会 公式サイト「電卓の利用について」に詳細が掲載されています。
CBT方式の電卓操作で注意したいのは、%キーの動作が通常の電卓と異なる場合があるという点です。
たとえば「1000の10%」を計算したい場合、通常の電卓では「1000×10%」と入力すると100が出ますが、CBTの画面電卓では挙動が違うことがあります。
試験本番で焦らないためにも、事前に公式の練習環境を使って操作を確認しておくことを強くおすすめします。
FP試験における電卓の効率的な使い方
電卓を選んだあとは、使い方の習熟度が得点に直結します。
FP試験の計算問題で特によく使うテクニックをいくつか紹介します。
FP試験で役立つ電卓の使い方テクニック
- メモリー機能を活用する:複数ステップの計算(例:税額の積み上げ計算)では、途中の答えをM+で記憶させてから最後にMRCで呼び出すと効率的
- 複利計算は掛け算を繰り返す:1.02の3乗なら「1.02×1.02×1.02=」と順番に入力する。GTキーを使う方法もある
- %キーの使い方を事前確認:電卓によって%キーの動作が異なるため、自分の電卓の仕様を把握しておく
- 入力ミスはCキーで素早く修正:AC(全消去)ではなくC(直前の入力のみ消去)を使い分けると時間ロスを防げる
試験中に焦って打ち間違えると取り返しがつかなくなることもあります。
特に本番では時間的なプレッシャーもあるため、普段の学習から「電卓に慣れる練習」を意識的に取り入れることが大切です。
計算問題を解くたびに同じ電卓を使い続けることで、キーの位置や押し感が体に馴染んでいきます。
試験直前に新しい電卓に変えると慣れない操作でミスが増えることがあるので、できるだけ本番まで同じ電卓を使い続けることをおすすめします。
また、FP試験の勉強全体を効率よく進めるためには電卓の使い方だけでなく、学習戦略全体を整えることも重要です。
FP3級をこれから受験する方には、FP3級を独学で合格する方法【勉強時間・テキスト・過去問】も参考になるかと思います。
FP電卓の選び方と試験対策のまとめ
ここまで、FP電卓に関するルールや選び方・使い方を一通り解説してきました。
最後に、要点を整理しておきます。
この記事のまとめ
- FP試験では関数電卓・金融電卓・電卓アプリは使用禁止。四則演算・%・√が使える一般電卓を選ぶこと
- FP2級・3級はCBT方式のため電卓の持ち込みは不可。画面上の簡易電卓を使う。事前に操作練習を忘れずに
- CFP・FP1級は紙の試験形式のため電卓の持ち込みが可能(禁止機種を除く)。使いやすさを重視して選ぼう
- 無印の電卓はFP試験に使えるケースが多いが、機能を確認してから購入するのが安心
- カシオとシャープはどちらも定番。キーの感触や好みで選んでOK
- 電卓はメモリー機能や%キーの使い方を練習しておくと本番で差がつく
FP電卓の選び方は「禁止されていない一般電卓を、自分が使いやすいサイズで選ぶ」という基本を押さえれば大きく外れることはありません。
大切なのは早めに電卓を決めて、勉強中から同じ電卓で練習を積み重ねることです。
この記事の内容はあくまで一般的な情報をまとめたものです。
試験の最新ルールや持ち込み条件については、必ず日本FP協会または金融財政事情研究会(きんざい)の公式サイトでご確認ください。
また、個別の資産設計やライフプランに関するご相談は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談されることをおすすめします。